新しい仲間のために――私たちが紡ぐ成長のカリキュラム
来年4月、私たちの医院に新しい歯科衛生士が仲間入りします。新しい職場で働き始めるときの期待と不安、私たちもかつて経験しました。その気持ちに寄り添い、少しでも安心して仕事を始められるよう、私たち先輩歯科衛生士がカリキュラムを作成しています。
このカリキュラムには、私たち自身が経験してきた困難や成長の軌跡が詰まっています。新人の頃は、患者さんへの対応や治療補助のタイミングなど、何をどう進めればいいのか手探りの状態でした。しかし、その度に先輩や周囲のサポートがあり、少しずつ自信を持てるようになりました。今度は私たちがそのサポート役となり、新しい仲間の成長を支えたいと考えています。
今回のカリキュラムは「安心して学び、成長する」をテーマに構築しました。まず、基礎知識の再確認を重視しています。学校で学んだことを、実際の現場でどう活用するかを丁寧に指導するプログラムを組み込みました。また、歯科衛生士として患者さんと接する際の心構えや、具体的なコミュニケーション方法についても、実践的に学べる内容を用意しています。初めての患者さん対応や治療補助は特に緊張するものですが、先輩がそばでサポートすることで、新人が安心して業務に取り組める環境を作ります。
次に、成長のスピードに合わせた段階的な指導を導入しました。最初は見学や補助業務から始め、少しずつ実践的なスキルを身につけてもらいます。例えば、プロフェッショナルケア(PMTC)の施術や予防指導といった歯科衛生士の中心業務も、段階を踏んで習得していく形です。それぞれの成長スピードに合わせて無理なく進められるよう、一人ひとりに合ったサポートプランを考えています。
また、フィードバックの機会を定期的に設けることにも力を入れています。月に一度、新人と先輩が一対一で話し合い、その時点での悩みや疑問点を解消する時間を確保します。私たち自身、新人時代に感じた「これでいいのだろうか?」という不安を早い段階で解消することができれば、もっと自信を持って仕事に取り組めたと思います。だからこそ、些細なことでも気軽に相談できる環境を整えることが重要だと考えています。
さらに、職場全体で新人を支えるための工夫も行っています。例えば、全スタッフが一丸となって新人をサポートできるよう、医院全体で情報共有の場を設けています。どの患者さんにどのような対応をしたか、何が課題として残っているかをチーム全体で把握し、次のステップへとつなげます。新人にとっては、自分が一人で背負わなくてもいいという安心感を得られるはずです。
私たちの医院では、個々の成長がチーム全体の力になると信じています。歯科衛生士として一人前になるためには、知識や技術の向上だけでなく、患者さんやスタッフとの信頼関係を築くことも欠かせません。そのためには、互いに支え合い、学び合う環境が何よりも重要です。
新しい仲間が私たちのチームに加わることで、医院全体がさらに活気づき、患者さんにとってもより良い環境が整うと確信しています。私たちもこの新しい挑戦を通じて成長し続けるつもりです。
4月が待ち遠しいです。新しい仲間と共に過ごす日々が、私たち全員にとって大切な財産となるでしょう。そして、いつの日か、その新人がまた次の世代の仲間を支える立場になる日を楽しみにしています。